「ダイエットは1年戦争である」というのが、当スリム教導隊の一貫した方針であります。
1日2日で劇的な効果が現れるような食事やトレーニングは残念ながら存在しません。
しかし、なんでもかんでも長期戦だといわれるとなかなかモチベーションを上げにくいのも事実です。
「なんかやりたい」でも「本格的なトレーニングを開始するほどでもない」というときのために、多少なりとも「効いてる!」と感じられる手軽な家トレを用意しておきたいところであります。
本稿では即効性を体感できるトレーニング「巻き上げ」について考察いたします。
巻き上げの効果
「巻き上げ(リストローラー)」とは「棒のまん中にヒモをつけてそのヒモの先に重りを装着、両手で棒をグイグイと回して吊るした重りを巻き上げたり降ろしたりする」というトレーニングであります。
数あるトレーニングの中でも比較的お手軽で、それでいてなかなかの即効性を感じられますので「ちょっとカラダ動かしたいな」という時に適しています。
主目的である前腕部はもちろん、重量物を肩の高さで前方保持するため二の腕~肩、腹筋、背筋あたりまで、上体をまんべんなく鍛えられる総合トレーニングと捉えることもできます。
シンプルかつ地味なことこの上ないトレーニングですが、前腕部への効果は折り紙つきです。装着する重りの重さによってはたった1往復でも前腕部がパンパンになります。
パンパンになった腕は、気分だけはガイル少佐そのものです。
なんか必殺技が出せそうな気分になりますが、残念ながらソニックブームは出せません。出したいですが出せません。そこはガマンしましょう。
なお「リストローラー」はこのトレーニングそのものを表す言葉ですが、本稿では便宜上「棒+ヒモ+重り」の器具を「リストローラー」、トレーニングのことを「巻き上げ」と呼称します。
巻き上げのやり方
巻き上げはとてもシンプルなトレーニングです。いくつか守るべきポイントがありますので、安全に注意しつつ行いましょう。
- リストローラーを両手でしっかり持つ
- 左右の手を交互に動かして棒を回し、重りを巻き上げる
- 1往復したら次は反対方向に棒を回して巻き上げる
注意点としては、重りを降ろすときにスルスル~っと手を滑らせないことです。降ろすときもグッグッと確実に棒を握って回しましょう。
手を滑らせると摩擦で手を火傷したり、足に重りを落としてしまうリスクがあります。
リストローラー
リストローラーは市販の専用器具を使用するのが一般的です。重りは重量可変ダンベルのプレート(別売り)をセットして重さを調節します。
重りについては軽めのもので十分な負荷をかけることが可能です。ガイル少佐レベルのマッチョを目指しているのでもない限り、2~3kg程度のプレート1枚にとどめることをオススメします。
安いものならプレート1枚と合わせても2~3000円くらいでそろえることができるので、リーズナブルな家トレ器具といえるかと思います。自分も普段は2.5kgのプレート1枚で使用しております。
専用の器具でなくてもリストローラーを自作することが容易なのも巻き上げのいいところです。
「3cm径くらいの頑丈な棒」、「1.5mくらいの長さの丈夫なヒモ」、「3kg程度の重り」の3点を用意できれば工作することが可能です。
あるいは、棒と重りを両方1.5リットルのペットボトルで代用することもできます。2本のペットボトルに砂と水を詰めてガチガチのヘビーウエイトに加工し、それぞれ「棒」と「重り」の代わりとするのです。
じつはこのペットボトル版リストローラー、自分が数十年前に自衛隊関係の学校に所属していた際に作らされたせていただいたものであります。
カッターと呼ばれる12人漕ぎ大型ボートの漕手として競技会に参加するための訓練器具で、参加者全員が上級生のやさしい指導のもと制作したものです。
太さ・形状がちょうどカッターのオールのそれに近かったので、通常のリストローラーよりだいぶ太いペットボトルが用いられました。
1か月間のカッター訓練期間はアクシズを落としたくなるほどの強烈な苦行でしたが、今となってはよき思い出であります。若かりし頃に苦しい思いをしたリストローラーに、中年ダイエッターとなった今になって助けられております。
貴官も工作が面倒でなければ、ぜひいちど自作リストローラーの制作にもトライしてみていただきたいと思います。
- 「巻き上げ(リストローラー)」は即効性を感じられる前腕トレーニング
- ヒモに吊るした重りを棒で巻き上げたり降ろしたりする運動
- 短時間でも効果があるので家トレに適している
- 器具を自作することも可能