「君も将校だろう! ただの兵でないのなら大局的に食事しろ!」
いつもながらガトー少佐のご発言は汚れなき清流のようです。自分は将校ではありませんがズシンと心に響きます。(発言内容がちょっと違う? それは失礼)
良兵には良食を・・というわけで、スリム教導隊の基本指針として以下の訓戒を設けております。そういえばウラキ少尉はニンジンがお嫌いでしたね。
5reflections
スリム五省 PDF ダウンロード
自分が陸軍っぽいキャラなのに海軍から五省(ごせい)のフォーマットを拝借してしまいました。なにとぞご容赦ください。
本家の江田島と同じく、これを就寝前に所属分隊で唱和して1日の生活を振り返るわけです。分隊に所属していなければ一人でおこなってもかまいません。
余談ですが、本家の五省は戦後アメリカ海軍兵学校(アナポリス)に高い評価を得て英訳までされたそうです。しかし日本国内では山本五十六元帥を始めとするリベラル派の海軍幹部に「古臭い」「精神訓にすぎる」と不評だったとか。
ここでは気にせず拝借いたします。
食事の重要性
ご覧のとおり5つの項目のうち4つまでが食事に関する内容になっております。それだけスリム教導隊において食事を重視しているということです。
ダイエット情報に触れたことのある方であれば「なにを当たり前のことを」と思われるような内容ですが、自分はそれでよいと考えております。
古くは十七条の憲法、近年ではウルトラ5つの誓いもおおむね当たり前のことを明文化したものでありました。
そしてこの「常に基本に立ち返る行為」こそ、スリム教導隊の悲願であるすべての人類をニュータイプに・・・もとい、すべての40代男性をダイエット成功に導くカギであると信じております。
自分でここまで意識しなくても、そのうちAIがリアルタイムに体調や体組成、メンタルヘルスまで測定して最適な食事サジェスチョンをしてくれるようになるのかもしれませんが、AIユニット自身がどら焼きを大量摂取しているうちはそこまで期待してよいか、ちょっと疑問です。
自分で食事ナレッジを高める方が早道と考えます。
以下、各項の概要です。
スリム五省 概要
一、野菜を多く食せしか
(やさいをおおくしょくせしか)
かつて海原雄山先生が「人間は本質的に生野菜が嫌い」といった主旨の発言をされていたと記憶しておりますが、野菜には健康に良いとされるさまざまな成分が含まれることがわかっております。
熱に弱い成分もあるので生食が推奨されないもの以外は可能な範囲で生で食べたいところです。が、そこまで気にせず煮たり焼いたりしておいしく食してよいと思われます。
野菜は六大栄養素のうちビタミン・ミネラル・食物繊維の宝庫です。
また、現代人の食習慣では本来備わっているDNAにコーディングされた野菜(≒天然の野草)の摂取量より大幅に少ないといわれています。
人類にとっては「そのへんの草でも食っている」のが理にかなっているということです。
これはべつに自分が埼玉県人だから主張しているわけではありません。
スリム教導隊では1日300~400グラムを目安に野菜を食べることを目標としております。けっこうな量ですので一部は食前にミキサーで半液状にして飲んでいます。
食物繊維を分離してしまうタイプのジューサーは目的に合わないので使用しておりません。
一、タンパク質を食せしか
(たんぱくしつをしょくせしか)
タンパク質は筋肉を始めとする体組織の原料であります。肉、卵、魚介類、大豆などのタンパク質系食材を意識して摂取します。
なぜ意識するかというと、市販の安価な食材には天然のタンパク質がほとんど含まれていないものが多く、うっかりするとほとんどタンパク質を食べない日々を過ごしてしまうことがあるからです。
「必須アミノ酸」という言葉があるように人の体内では生成できない成分が含まれるので、経口補給が必須なのであります。
実際にはタンパク質の摂取が多少不足してもただちに筋肉がやせ細っていったりはしないのですが、健康的な新陳代謝のサイクルのために目安量はキープしたいと考えます。
1日の目安としては自分の体重1kgに対して0.8~1.0グラム。体重80kgであれば64~80グラムということになります。
肉類はだいたい全重量の4分の1くらいがタンパク質といわれているので、およそ300グラムの肉を食べることになります。
ステーキ屋さんなどでは200~400グラムのステーキがラインナップされているので、一皿でほぼ1日量を摂取している計算です。
注意点としては、過剰なタンパク質の摂取は腎臓病につながるリスクが指摘されていることです。
肉類や魚、大豆などの食材を普通に食べている分には満腹になるまで食べてもまったく気にしなくてよいレベルですが、「食事の代わりにぜんぶプロテインでまかなってやるぜぇ!」みたいな極端なことはしない方が賢明です。
一、良質な脂を食せしか
(りょうしつなあぶらをしょくせしか)
かつては脂質こそが肥満や心疾患などの主犯だとされていた時期がありますが、今ではほぼ否定されています。
とかく「脂を食べると体内でも脂になる」というイメージを抱きがちです。
自分は比較的最近まで丸底フラスコに手足が生えたような体型をしておりました。しかし幸いにして人体の中身はそんなに単純にできてはいないのです。
口から摂取した脂質が体脂肪になる可能性がゼロというわけではありませんが、そもそも脂質は体内に吸収されにくいうえに、吸収後も糖質に比べて複雑でまわりくどい変遷を経るので、脂質を食べることによる肥満リスクは糖質よりずっと低いといえます。
むしろ脂質は全身の細胞を覆う細胞膜の材料であったり重要な臓器のエネルギー源であったりするので、積極的に摂取するべき栄養素です。
日本人の食生活では一般的に脂質の摂取が少なすぎるという意見もあります。
「じゃあ脂はいくら食ってもいいのか」という話ですが、だいたい1日300グラムを超えると体脂肪になるといわれております。
正直がんばってもそんなに摂取できないのであまり上限は気にしておりません。
種類には多少気を遣います。
サラダ油などの植物性油に含まれる「オメガ6」と呼ばれるグループは、必須脂肪酸ではあるものの油モノに偏った食生活では過剰摂取されている場合があるといわれています。
高温調理で酸化しやすい点も要注意です。古い油の使い回しは極力回避します。
ちょっと理由は異なりますが植物由来のマーガリンも脂質の常識が逆転して避けるべき食材にカウントされています。
一方で、魚に含まれている脂質やオリーブオイルなどを意識的に摂取することが推奨されております。
魚は焼くと脂の多くが落ちてしまうのでできれば生で、煮魚やホイル焼きでもOK。理想は毎日ですが難しければ週に1~2回でも。
自分は「金曜日は魚の日」としております。海上要員ではないのでカレーの日ではありません。
オリーブオイルもガブ飲みではなく1度に大さじ1杯程度が目安であります。
一、過剰な糖質を控えしか
(かじょうなとうしつをひかえしか)
糖質はタンパク質、脂質と並んで三大栄養素に列せられる人体のエネルギー源である一方、生化学的にもっとも体脂肪として蓄えられやすい性質を持っています。
一般的に過剰摂取されているケースが多いので、その場合は意識して控える必要があります。
もともと自然界には少なかった糖質を人体は「貴重なエネルギー源」として本能的に好み、ひとたび摂取すれば体脂肪として蓄えやすくできているとされております。
現代は不自然なまでに糖質が量産され、資本主義の原理に則って大量にマーケットに出回っている時代です。
「糖質うまい」→「買う」という単純な構造が市場を肥大化させているのです。
砂糖にはコカインの8倍の依存性があるともいわれます。
いえ、神は平等です。我われの身体が不自然に体脂肪で肥大しているのは多分に過剰な糖質のせいだと思われます。
少量なら身体の代謝能力と日中の運動で消費できるでしょうが、麻薬のごとき依存症で大量摂取してしまうと、余剰分が中性脂肪に変化して体中の脂肪細胞(男性だと特にお腹)に蓄えられてしまうというわけです。
ここを抑制するのがダイエットの大きなポイントであり、経口摂取する糖質の絶対量を減らすのが「糖質制限」として広く知れ渡っている考え方であります。
中でも液体の糖質は固形物のブレーキがないまま腸に入り込んであっという間に吸収されてしまうので、清涼飲料水や甘い缶コーヒーの類とはグッバイした方が身のためといわれています。
次いで砂糖を多く含んだ菓子類、その次に白米や麺類・パン類の量を減らすことになります。
「野菜や肉より糖質制限が先じゃないのか」というご意見もあろうかと思います。
その方が性格に合っているならよいのですが、とかくストイックになりがちな日本人のこと。「これは食っちゃイカン」という情報が先行すると強いストレスを抱え込むことになりかねません。
野菜にだって糖質は含まれているので「野菜をたくさん食べる」と「糖質は食べちゃダメ」が強烈な自己矛盾を招いてパニックを引き起こすことも。
「ガンダムは敵!」→「私がガンダム!?」みたいな。
糖質制限を推す専門家の方は「1日の合計で60グラム」「1食あたり20~40グラム」といった指標を設けて赫々(かくかく)たる戦果を挙げておられるようですので、体調が許す限りトライしてみるのもよいかと思います。
ただ、野菜・タンパク質・脂を1日の目安量前後まで食べていればそれだけでかなりお腹いっぱいになるし余計な食欲も生じにくくなるので、無理やり減らさなくても過剰な糖質系食材の入る余地は自然と少なくなっていくはずです。
これらを勘案して、あえて訓戒の4番目といたしました。
一、ほどよく身体を動かせしか
(ほどよくからだをうごかせしか)
人間は本来、死ぬまで野山を駆け回る生き物として進化したようですが、現代日本においてはなかなかそうはいきません。
部活や体育で強制的に身体を動かす機会があるのは学生時代までで、大人になったら急に自己責任になってしまいます。
そして、多くの大人は事務職の名のもとにデスクワークに従事し、イソギンチャクよろしく1日の大半をイスにへばりつく生活を強いられるわけです。
ここはやはり、自らの意志の力でほどよく身体を動かす必要があると考えます。
軍人キャラのくせに「ほどよく」とは何事かとお叱りを受けそうですが、海兵隊式のブートキャンプは脱落者続出のハードワークですのでここでは推奨しておりません。
もちろん自分もハートマン軍曹のように人に罵声を浴びせたりいたしません。
自分はビリー・ブランクス元軍曹のDVDを愛用していた時期がありますが、大きな戦果を得る前に挫折しました。
自分のやる気の問題が大きかったと思う一方、ビリー隊長のダイナミックな動きを再現するには部屋が狭すぎたというのもありました。
ジムに通えるならこのあたりは問題ありません。ただ金銭的・時間的にも、あるいは精神的にもジムに通い続けるというのはハードルがあるものです。
スリム教導隊においては第一に継続性・・・「継戦能力」を重視したいと考えます。
まずは日常生活の中に取り入れられるほどほどの運動から入っていきます。
ブースト効果を期待して「正しい運動」を増やすのは食事制限主体である程度身体を動かせるようになってからでよい、というスタンスです。
実際、自分もいきなりハードなエクササイズやランニングに挑戦しようとして数日で挫折・・を、何度も何度もくり返したクチです。
逆に半年で約20kgの減量を果たした時期を通して継続的におこなった運動といえば・・・
・通勤時の歩行(1日合計40分、駅はエスカレーターではなく階段を歩く)
・昼食後の散歩(10~20分、週に2~3回)
・給湯室でシンクに手をついて斜め腕立て(「1セット10回」を1日の中でバラバラに2~3セット)
くらいのものでした。
さまざまなアイテムを駆使した筋トレを取り入れたのはダイエット開始から約2ヶ月後、中盤に差しかかってからです。
効率を追求したくなるのは美徳ですが、オーバーワークは敵前逃亡に直結します。
ダイエットは「火の七日間」ではなく「一年戦争」です。
あるいはジンネマン大尉のおっしゃったように、
「男の一生は死ぬまで(体脂肪との)戦いだ」
というのが正解かもしれません。
長期戦では継戦能力を第一に、MS-18Eのような一撃離脱戦法をよしとしないように心がけたいと考えます。