「もしも自分の身体にまったく脂肪がついていなかったら何キロか」
理論的にどこまで体重を落とすことができるかは一人ひとり異なります。体脂肪率0%の「素体スペック」を把握することはダイエット計画の重要な指標のひとつです。
それが「除脂肪体重」であります。
除脂肪体重とは
「除脂肪体重」とは、読んで字のごとく身体全体の重量である体重から体脂肪の重量を引いた値であります。
英語ではLBM(Lean Body Mass)と呼称します。
略語の末尾が「BM」だと新手の弾道ミサイルを想像してしまいますが、そんなこと言うとアブナイ人だと思われるので関係者以外に不用意な発言は控えましょう。
実際にはありえないのですが「体脂肪がすべて取り除かれた体脂肪率0%の状態でその他の骨格・内臓・筋肉だけの状態」で体重を計ると理論上この値になります。
艦船でいうところの満載排水量に対する基準排水量、モビルスーツでいえば追加装備をすべて外したRX-9、チョバムアーマーを外したNT-1、あるいはGP-03Sあたりを想像いただければと思います。
体脂肪もオプション装備みたいに簡単に着脱できれば苦労はないんですがねぇ。。。
スリム教導隊におけるダイエットの主眼は「体重を減らすこと」よりも「体脂肪を適性値まで減らすこと」に置いております。まずは理論的な限界値である除脂肪体重を把握しましょう。
除脂肪体重の計算式
除脂肪体重の計算式はカンタンです。
除脂肪体重 = 体重 -(体重 × 体脂肪率)
以上です。
仮に体重80kg・体脂肪率30%とすると、体脂肪の重量は24kg、除脂肪体重は56kgとなります。
「自分の体重は体脂肪率0%だと56kgかぁ・・」という感慨とともに、それ以上は内臓や骨格筋を減らしでもしない限り減らないんだということがわかります。
体組成計で計測する
家で体脂肪率を測る場合はシンプルな体重計ではなく「体組成計」が必要になります。
ダイエットには無暗にお金をかけない方がよいですが、体組成計は必須装備のひとつです。長く使える優秀な装備ですので、もし持っていなければ必ず入手しましょう。
体組成計
健康志向の高まりを受けて多くの家電量販店で体組成計の専門コーナーが設けられています。
購入の際には納得いくまで見比べるのが上策です。
価格も2~3000円程度から数万円のものまでピンキリで、上位機種になるとスマホと連動して測定データを保存、グラフで可視化してくれるアプリとセットのものがあります。
「ダイエットには日々の記録をつけるのが有効だ」とよく言われます。スマホ連動だと計測結果を紙に書いたりスマホにメモしたりの手間が省けるので毎日の継続が容易になります。
自分はスマホ連動タイプのオムロン社製HBF-228T-SWを使用しております。比較的安価なシリーズですが性能は申し分ありません。機能やデザインで特にこだわるポイントがなければ価格で選ぶのも一手です。
一方、2大メーカーとしてオムロンと並び称されるタニタ社製の中にはゼータ系の可変モビルスーツを思わせるメタリックな体組成計がラインナップされております。
自分は予算の都合で見送りましたが、毎日乗る機体にとって「気分が上がる」というのはカタログスペックと同じくらい重要なファクターかもしれません。
量産機でこのクオリティ。さすがタニタさん、わかっていらっしゃる・・!
傑作機として名高い篠原重工製AV-98も「見る者に与える心理的影響まで考慮して設計」されており、1990年度グッドデザイン賞を受賞しておりましたね。
除脂肪体重からダイエット目標を立てる
引き続き上記の「体重80kg・体脂肪率30%」の例でダイエット目標を立ててみます。
除脂肪体重が56kgとわかったので、次は目標とする体脂肪率です。
人によって目標は違ってくるわけですが、ここでは30歳以上の男性の適正値とされる17~23%のまん中をとって「20%」とします。
「除脂肪体重56kg・体脂肪率20%」の体重は
56kg ÷(1 - 0.2) = 70kg
・・・となります。
現体重である80kgからは10kgの減量です。
1か月の減量幅は現体重の5%程度(この例の場合は約4kg)までとして、だいたい2~3ヶ月で目標体重である70kgに達するのが理想的であります。
このペースより極端に早かったり遅かったり、あるいは逆に体重が増えたりしているのであれば食生活を中心に見直しを図ります。
除脂肪体重と目標体脂肪率をもとにダイエット目標を設定することで、「体重〇kg」という単純な数字にも納得感が期待できるかと思います。
- 自分の除脂肪体重を知る
- 除脂肪体重 = 体重 -(体重 × 体脂肪率)
- 体組成計で体脂肪率を計測する
- 除脂肪体重と目標体脂肪率から目標体重を設定する