自分は個人的に中年男性特有のお腹周りの体脂肪のことをELS(Extremely Large Stomach)と呼称しております。
そして中年男性のダイエットにはELSとの「対話」が不可欠であります。
腹部に過剰についてしまった自らの体脂肪を理解し、受け入れ、ひとつになるための「対話」。日々の食生活と運動習慣を基軸とした「対話」こそが、中年男性をスリムな健康体へといざなう道標なのであります。
本稿では、来たるべきELSとの「対話」の切り札になりうる食材のひとつ、「ブロッコリー」について考察いたします。
メシの基本は愛
正直なハナシ、自分は長いことブロッコリーが苦手でした。
「どこが?」と問われるとアレですが、一番はあの独特のモシャモシャとした食感でありましょうか。目の前に出されれば食べなくはないものの、好きこのんで選択する嗜好は持ち合わせておりませんでした。
ところがであります。
一年戦争開戦当時、「とにかく野菜を多く食べること」という基本戦術をふまえて近所のスーパーを威力偵察した結果、ブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜が多く目に入るようになりました。
ブロッコリーのほかにもキャベツ、白菜、大根、カブ、チンゲン菜・・・。
アブラナ科の野菜に共通する特徴として、血糖値を下げる「スルフォラファン」が多く含まれている点が挙げられます。ブロッコリーやその新芽であるブロッコリースプラウトには特にスルフォラファンが多く、ダイエットのみならず糖尿病の食事療法にも有効であると考えられているそうです。
最初は多少ガマンしながら食べていたものの、すぐにイヤイヤ感は薄れていきました。ブロッコリーはいつしか自分が一年戦争に挑むに当たって欠くことのできない食材になっていったのです。
長きにわたった一年戦争を通じて、ここまで大きく思考定義をシフトした食材もありません。
我ながら「食事の好き嫌いなんてけっこうカンタンにひっくり返ることがある」と半ば感心、半ば呆れてしまったものであります。
野菜界のガンダム
「スーパーフード」と「スーパーガンダム」は商売っ気が強くてイマイチ信用できない自分ですが、それでもあえてスーパーフードを挙げるのであれば、間違いなくブロッコリーがランクインします。
バランスよく含有されるビタミン、鉄分などのミネラル、それに食物繊維。あまりイメージがありませんが、タンパク質も重量比で2~3%程度含まれております。
「とりあえずブロッコリーを食べておけば大丈夫」と言っても過言ではないくらい、栄養バランスに優れているのがブロッコリーという野菜です。糖質は重量比1~2%程度と少ないくらいで、これほどダイエット適性の高い優秀食材もなかなかありません。
定番の「茹でブロッコリーのマヨネーズがけ」のほかにも、カレーやシチュー、スープの具としてアクセントにすることもできますし、抵抗がなければサラダで生食することも可能です。
とはいえ、食感に好き嫌いが分かれる野菜でもあるので、健康にいいからと子供に無理やり食べさせるのはよくないかもしれません。自分も幼少期のトラウマで長らくブロッコリーを敬遠する食生活を続けており、それが中年太りの一因になった可能性があります。なんとももったいないことをしてきたものです。
見た目はどちらかというとザクに近いブロッコリーですが、その汎用性の高さはまさにガンダムそのものなのであります。
この感情・・・まさしく愛だ!
もちろん「毎日ブロッコリーを食べるだけで1か月マイナス10kg!」みたいな胡散くさい話ではありません。他の食事と併せたトータルバランスの中に組み込んでこそ真価を発揮するものであります。
ブロッコリーのメリットだけを無暗に誇張するつもりはありませんが、自分が一年戦争で約20kgの減量に成功した際に取り入れたポイントのひとつであったのもまた事実であります。
ダイエットで「苦手」から「好き」に変えることができてよかったと思える食材は数あれど、自分にとってブロッコリーはその筆頭格と言って差し支えない野菜であります。同志諸兄にもぜひ、日々の食生活から糖質系食材をひとつ減らして、代わりにブロッコリーを採用していただければと存じます。
このひとつひとつの食習慣の変遷こそがELSとの対話。イオリア・シュヘンベルグが提唱したとかしないとか言われる、「来たるべき対話」のはじまりなのであります。
「そう・・・たったそれだけのことで、お腹はスリムになるのね」
- ブロッコリーはダイエットに適した優秀食材
- ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富
- 糖質系食材をひとつ減らして、代わりにブロッコリーを採用する