自分が抱えてきた数多いコンプレックスのひとつが「若い頃と胸囲・腹囲の数字が逆転したこと」であります。
柔道部でそこそこ鍛えていたこともあり、若い時分はうっすらと逆三角形だった上半身が、40代を迎えた頃には見事な台形シルエットになってしまったのです。思わず(上底+下底)×高さ÷2で面積を求めてしまいそうです。
まるでドズル中将からデギン公王に変身したかのような体型変化は、我が事ながらかなりショッキングな事象でありました。
お腹のハイパーメガ体脂肪を減らすのと並行して、なんとか強そうな大胸筋を甦らせたいものであります。
本稿では大胸筋強化ギア「アームバー」について考察いたします。
胸囲と腹囲と
不敬を承知で、本稿では胸囲のことを「ドズル」、腹囲のことを「デギン」と呼称させていただきます。なにとぞ粛清はご容赦ください。
申し上げるまでもありませんが、人間・・特に男性の体型は胸囲が腹囲を上回っているほど「強そう」と感じるものであります。古来より力仕事を担うことが多かった男性には、腕力・膂力といった純粋な「パワー」が要求されるシーンが多く、我々には遺伝子レベルまで胸囲や上腕二頭筋に対する憧憬と畏怖の念がインプリントされております。
ドズル中将がジオン将官の中でも際立って「強そう」と感じられるのは、搭乗されているモビルアーマーの威容だけによるものではありません。ご本人の身長、声、それになにより大胸筋のサイズがものを言っているのであります。
一方、腹囲の大きさは胸囲とは真逆の印象を与えます。
一部のプロレスラーと力士、それにアーミテージ元国務副長官を除けば、腹囲を見て「強そう」という印象を抱くことはまずありません。腕力よりも処世術、膂力よりも策謀の巧みさを連想される方が多いのではないでしょうか。残念ながら最終的に肥満の策略家が勝利を収める物語を自分は知りません。せいぜいシーマ・ガラハウ中佐のような実戦派の女性から「サイド3でぬくぬくとうずくまる者ども」くらいに蔑まれるのがオチであります。
ダイエットによる腹囲のスリム化も重要ですが、ここではむくつけき大胸筋を甦らせることにフォーカスしたいと考えます。
油圧式アームバー
自分が大胸筋の強化を目的に手にしたのは「油圧式アームバー」(下図)です。
ご覧の通り、左右に展張した状態から両腕を大きく使ってグーっと折りたたむ動作をくり返します。大胸筋と上腕二頭筋にキモチイイ負荷をかけることが可能であります。
同目的のアームバーは従来「バネ式」が主流だったようですが、万一バネ部が折れたりしたらとても痛そうで、痛いのイヤな自分としては敬遠しておりました。それに、これは自分のせいですがバネの隙間に余剰なお肉が挟まってしまうのも怖かったので。
油圧式であればこれらの危険性はだいぶ軽減されます。それに、無段階で負荷を調整できるのも大きなプラスポイントであります。20~200kgの調整レンジは、いちど衰えきってしまった中年男性には非常にアリガタイ機能です。
自分は最低の20kgからスタートして、約1ヶ月後の本稿執筆時は60kgあたりで毎日グイグイとやっております。ドズル閣下ならMAXの200kgでも軽いのかもしれませんが、その域まで達するのはサスガにちょっと難しそうですし、日本の中産階層の下の方にいる中年の自分にはどう考えてもオーバースペックなので、そこまでは目指しておりません。40〜60kgでも自分にとっては十分な負荷が得られます。
あと、余談ですが「油圧式」というメカニズムそのものが、なんともいえず気分を上げてくれます。モビルスーツの稼働パーツに欠かせない油圧式アクチュエーターは男のロマンであります。
※個人の感想です。
再び、光る大胸筋
油圧式アームバーは、自分が手にしてきた中でも「使える」と感じられるトレーニングギアであります。腕立て伏せが苦手な自分としては、大胸筋を鍛え上げるにはこのアイテムが欠かせません。1日10回程度、グーっとやる習慣を続けるだけでかなりの違いが実感できます。
自分と同じく、胸囲への憧憬を捨てきれず、さりとてキツイ腕立て伏せは苦手としておられる同志に強くオススメできる家トレグッズであります。
ただし、貴官がもし四十肩・五十肩を患っておられる場合、症状を悪化させる危険があります。くれぐれも無理をされませぬよう、ご自身の身体と相談の上でゲットしていただければと存じます。
- 胸囲が大きいと強そうに見える
- 腕立てが苦手でもアームバーで大胸筋の強化が可能
- 負荷を調整できる油圧式アームバーがオススメ