暴走を阻止せよ!「ムダ食欲」に対抗する戦術

appetite スリム教導隊本部

主人公機というものはどういうわけかパイロットの意に反して暴走しがちです。

 

ユニコーンガンダムウイングガンダムゼロ、それにエヴァンゲリオン初号機

 

どんなに強力なウェポンでも、なにかの拍子に制御不能になるのはいただけません。葛城ミサト三佐の言を借りれば「兵器としての信頼度がちとキビしすぎる」のであります。

 

食欲が止まらない

ゼロは俺に「食べるな」と
言ってはくれない・・

強大な力と引き換えにたびたび暴走する彼らをどこか嘲笑っていた自分ですが、よく考えると自分にもしょっちゅう暴走している一面がありました。

 

そう。「食欲」であります。

 

「食べ過ぎれば太る」という自明の理屈を押し退けて、パンや米を、麺を、スイーツをむさぼる様はまさしく暴走そのもの。食欲の暴走をなんとかしないことにはダイエット成功はありません。

 

エヴァが使徒を捕食する様を見て「うわぁ」とか言ってる場合ではないんであります。

 

本稿では「食欲」について考察いたします。

 

2種類の「食欲」を認識せよ

我々の食欲には大きく2種類あるといわれます。「まっとうな食欲」「ムダ食欲」です。

2種類の食欲

「まっとうな食欲」

本能と精神と

本能と精神と

「まっとうな食欲」は、長時間食事を摂らないことで脳がエネルギー不足を感知して、動物的な本能を司る「視床下部」が空腹感を発生させることで生じる食欲です。

 

ちゃんとした言葉で言うと「代謝性食欲」というんだそうですが、ちょっと意味がスッと入ってこないので、自分は勝手に「まっとうな食欲」と呼んでいます。ちゃんとしてない大人なもんで、スミマセン。

 

この「まっとうな食欲」が発生したときは生命維持に関わるエネルギーが本当に不足している状態ですので、ただちにメシを食いましょう。

 

食事によって血糖値が上昇すれば視床下部の食欲リミッターが機能して、自然と食欲も収まってくれるハズです。

「ムダ食欲」

一方、「ムダ食欲」は本能寄りの視床下部ではなく、より高次の精神活動をおこなう「大脳皮質連合野」の働きによって生じます。

 

エネルギーが不足しているわけでもないのに、ふとしたきっかけであたかも本当に不足しているかのような強烈な渇望が生じます。

 

これもちゃんとした言葉では「認知性食欲」と呼称するそうです。「エネルギー不足じゃなくて、何かを認知することで生じる食欲」ということでしょうか。

 

こちらは生じた食欲のままに食べまくってはいけません。太ります。

面倒なことに、これら2種類の食欲は感覚で区別することができません。

 

これはべつに、我われ人間の食欲プログラムに帆場暎一容疑者(電子計算機損壊等業務妨害罪)が仕掛けた意図的なバグとかではなく、長い歴史の中で常に飢餓と戦ってきた人類が身につけてきた生存戦略だといわれます。

 

ハラガヘッタ

ハラガヘッタ

「近くに食糧があるのならチャンスを逃さず食えるだけ食っておけ」というわけです。

 

体脂肪が蓄えられた状態であれば、とりあえず生命維持のためのエネルギーが不足しているわけではないので、我われが日常的に感じる食欲の多くは「ムダ食欲」であると考えて差し支えないのであります。

 

もちろん、だからといって「太ってるうちは食事をいっさい摂るな」などということではありません。

 

蓄えのきくエネルギーはともかく、ビタミン・ミネラル等の栄養素は毎日の食事で適切に補給しないといけないのですから。

 

「ムダ食欲」が引き起こされる例

「ムダ食欲」を引き起こすトリガーは我々のまわりに満ち溢れています。

 

そもそも我われ中年男性は、幼少期から銀河超特急の旅客・星野鉄郎君(CV. 野沢雅子)やサイヤ人の青年・カカロット氏(CV. 野沢雅子)その他大勢のみなさんがガツガツとむさぼり食うさまをインプリントされております。

 

人がうまそうに物を食べている姿はおおいに食欲を掻き立てるものです。

 

他にも以下のような「ムダ食欲」のトリガー事例がありますのでおさえておきましょう。

「ムダ食欲」トリガー例

食べ物を見る・聞く・嗅ぐ

食べ物を見る、料理や食事の音を聞く、うまそうな匂いを嗅ぐといった五感の刺激によってトリガーが引かれることがあります。

 

腹が減ったな

腹が減ったな

チラシや雑誌などの印刷物、テレビやネットの画像、「ラーメン」等と書かれた看板の文字といった実際の食べ物ではない「情報」も「ムダ食欲」のトリガーになりえます

 

これは非常に厄介です。

 

乙女座バルゴ黄金聖闘士ゴールドセイントでもない限り常に目を閉じてるわけにもいかないので、可能な範囲で見ない・聞かない・嗅がないようにする等の対処法しかありません。

 

日光東照宮のアレに近いものがあります。

「決まった時間に食べる」という習慣

なんか腹が減ってきたぞ

なんか腹が減ってきたぞ

朝昼晩の3食もさることながら、それに加えて決まった時間に同じような間食を摂る習慣が身についている場合があります。

 

こうなると毎日同じ時間に空腹感に襲われることになります。

 

モビルアーマー体型だった頃の自分のダメ習慣のひとつが「夜中に自室にいると無性にバウムクーヘンを食べたくなる(そして食べる)」というものでした。

 

飛行船タイガーモス号の食事は1日5回、海上自衛隊の潜水艦は1日4回です。これは閉鎖空間の24時間勤務に対する配慮であって、同様の激務でない限りあまり推奨できません。ただし1回の食事量と食事内容をちゃんとコントロールできるのであれば、回数自体はそこまで問題ではありません。

「もったいない」という教育

美徳が裏目に出るケースもあります。

 

我われは戦中戦後の食糧不足を知る世代のジュニアであったり、身をもってバブル後の大不況を経験していたりします。中にはリストラの憂き目にあった同志も少なからずおられると思います。

 

食べ物を残すことを「もったいない」と強く感じてしまうのは我々の世代に多く見られる特徴かもしれません。

 

腹が減ってるはずないんだが

腹が・・・
減ってるはずないんだけど

食べ物を大事に思う心、それ自体は美徳なのですが、食事のたびに「もったいない」と残さず平らげることを習慣化してきた結果、発動する必要のない食欲を生じさせている可能性があります。

 

自分の場合は妻が揚げ物や米・麺類、それに甘味の類を際限なく与えてくれたことが肥満の一因でありました。

 

たぶん自分が「ありがとう」と言って美味しそうに食べている様を見て、よかれと思ってくれたんでしょう。

 

よかれと思って提供された食事を前に「じゃあ僕が太ってもいいって言うのか!・・・せ、戦争なんだよ(食欲との)!」などとグズることもできず、かといって食べ物を捨てたりもできないので黙々と食べるしかありませんでした。

「ムダ食欲」を感知する『根っこ』を持て

「ムダ食欲」が存在すると分かった上で、次はそれに対抗する必要があります。

 

ユニコーンガンダムがNZ-666クシャトリヤを中破・拿捕した後の、医務室での会話にヒントがありました。

 

以下、そのシーンを我がスリム教導隊所属の同志デブ2名により再現(一部加工)したものであります。

 

医務室にて
<所属部隊の食事会にて、食欲のままに暴食しそうになったもののすんでのところで止まった同志Aと、そのまま食べ過ぎた挙げ句、医務室に担ぎ込まれてしまった同志B

 

医務室にて

「それでも」と・・

同志A「よく覚えてないんです。どうしてあんなことになったのか」

同志B「食欲に呑まれたんだろう。コントロールしているつもりが、いつの間にか操られている」

 

(中略)

 

B「デブには『代謝性食欲』と『認知性食欲』を識別する能力はない。でもスリムな人は違う。感じることができるから」

 

(中略)

 

B「お前も私と同類かもしれない」

A「・・・どういう意味ですか?」

B「そうとでも思わなければ私の立場がないよ。だがお前の食欲は止まった。お前の意思が、お前の中にある『根っこ』が食欲を屈服させたんだ」

A「『根っこ』・・・?」

B「私たちにはそれがない。だから食欲と同化できてしまう」

A「同志B・・・」

B「私のことはいい。同志A、たとえどんな料理を突きつけられようと、『それでも』と言い続けろ。自分を見失うな。それがお前の『根っこ』・・・お前の中に眠る、『もう一つのシステム』を呼び覚ます力・・・」

マリーダさ・・同志Bが語る、食欲における『根っこ』とは? 『もう一つのシステム』とはなんでしょうか?

 

スリム体型ニュータイプを目指す上で欠かせないこれらのポイントをぜひ押さえておきましょう。

 

「ムダ食欲」に対抗するルーティンを用意せよ

食欲における『根っこ』については、実はすでに答えが出ています。

 

発生した食欲が「ムダ食欲」すなわち「暴走」であることを自覚できる能力がそれであります。

 

次に、目覚めさせるべき『もう一つのシステム』ですが、これも上述の中にヒントが出ておりました。

 

すなわち『血糖値の上昇』によってはたらく視床下部の食欲リミッターであります。

 

ダンベル運動

軽いダンベル運動とか

血糖値を意図的に上昇させることで脳の視床下部に「体内エネルギーは十分である」と認識させ、発生した食欲を抑制させることが可能だとされております。

 

そして血糖値を上昇させるには必ずしも食事を摂る必要はありません。心身を運動状態や緊張状態にして交感神経を働かせることで、肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを糖として放出させることができます。身体が活動に備えて血中の糖度を高めるシステムを目覚めさせるのです。

 

つまり「ムダ食欲」が発生したことを認識したら、じっとガマンしたりカップ麺に手を伸ばしたりするのではなく、身体を軽く動かすことで食欲を抑えられるのであります。

 

対食欲ルーティン

その① 体を動かす

どの程度の運動が有効かは人によりますので、「散歩」「階段ウォーク」「エア縄跳び」「シャドーボクシング」「斜め腕立て」など、軽めの運動の中から自分に合ったルーティンを見つけましょう。

 

軽めのダンベルを近くに置いておくのも一手です。

 

 

男子の性でついつい重量可変タイプを選んでしまいがちですが、対食欲専用機であれば1〜2kg程度のシンプルなタイプがオススメです。

 

「腹が減ってきた」と感じたら、その食欲と闘うつもりでダンベルを持ってパンチング!であります。

 

その② なにかを唱える

デスクワークや会議中などで身体を動かすのが難しい場合は、マリーダ中尉・・・ではなく同志Bの助言を胸に、口中で「それでも」と言い続けて緊張状態を発生させましょう。

 

似たようなセリフですが「食べちゃダメだ、食べちゃダメだ・・・」と連呼するのは、かえって食欲を意識してしまう上にちょっと鬱っぽいのであまり推奨しておりません。

 

自分の場合はお経を唱えるのも意外と有効でした。『般若心経』など好みのお経を見つけて暗唱できるようにしておくと、イザ食欲が発生したときの対処ルーティンとして唱えることが可能です。

 

 

個人的に家が浄土真宗なもので、『重誓偈じゅうせいげ』もオススメです。

 

 

 

観測評価
  • 食欲には「まっとうな食欲」と「ムダ食欲」がある
  • 「ムダ食欲」にはさまざまなトリガーがある
  • まずは「ムダ食欲」を自覚するのが重要
  • 軽い運動で血糖値を上げて「ムダ食欲」を抑える

スリム教導隊_全景図

 

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