「第四匍匐」はスリムの味方!? 5種類の匍匐前進をマスターせよ

ほふく前進 スリム教導隊本部

「匍匐前進」が5種類あることはご存じでしょうか。「葡萄ぶどう」ではありません。「匍匐ほふく」であります。

 

陸上教練における基本中の基本である匍匐前進、中でも「第四匍匐」をおこなうことができたらダイエットにも有効かもしれません。

 

少なくとも飲み会の席では「正しい敬礼」「執銃時の動作」と並ぶ鉄板ミリタリーネタですので、知っておいて損はないかと存じます。

 

匍匐前進とは

「匍匐」とは身体を伏せた状態で這い進むことで、ミリタリーでは「小銃を持ち低い姿勢で前進する歩兵の動作」のことを指します。

 

匍匐と直立の被弾面積比較

隠密性と被弾面積

平地に突っ立っている状態ではすぐに敵に見つかってしまいますが、迷彩装備でジリジリと匍匐前進すれば見つかりにくくなる「隠密性」が獲得できます。

 

さらに敵から見える面積を減らすことで直進してくる銃弾が当たりにくくなる「被弾面積の低減効果」が得られます。

 

クラーク・ケント氏ダイアナ・プリンス女史あたりがいっさい匍匐前進をしないのは、彼らが「目立ってナンボ」であることと「銃弾が無効」であることが理由であります。良い子はマネしないようにしましょう。

 

もしモビルスーツが宇宙や月面で開発されず、高機動を実現するバーニアが標準装備でなければ「歩兵を10倍サイズにした機体」の基本戦術も匍匐前進になっていたに違いありません。

自衛隊の匍匐

自衛隊では第一~第五の5種類の匍匐があります。第一から第五にかけてスピード重視⇒隠密性重視に変化していきます。

 

ピストン桿止め用ばねピンを探す

ピンはどこだー!

自分は数十年前にちょっとだけホンモノを経験した際、別の理由で腰を痛めて満足に実施できませんでした。クセのある強烈な全身運動ですので、実施の際はくれぐれも腰を痛めないようにご注意ください。

 

また、その頃は重くて整備性に難のある64式小銃を使用しておりました。脱落しやすい「ピストン桿止め用ばねピン」を何度探し回ったことか・・・。

 

今では軽量で整備性も良好な89式への更新が進んでいるそうです。さらに89式の後継である20式が制式採用されたそうです。軽いんだろうなあ・・ウラヤマシイ。

自衛隊の匍匐

第一匍匐

第一匍匐

第一匍匐

図のように半身の姿勢をとり、後方に伸ばした右足で地面を蹴りながらガサガサと素早く移動します。

 

ほぼ左手と左ヒザだけで身体を支えることになるのでなかなかツラいですが、慣れてくるとかなりビックリなスピードで移動することが可能になります。

 

小銃を腰のあたりに当てることができるので右腕は見た目より少しだけ楽です。

 

図の小銃は巨大な割りばしゴム鉄砲ですがご了承ください。64式のピンを落としたくないもので(トラウマ)。模擬銃や銃剣道の木銃みたいなもんだと思っていただければ幸いです。

 

第二匍匐

第二匍匐

第二匍匐

第二匍匐は第一匍匐に近い形ですが少し姿勢が低くなっております。

 

左側のお尻は地面につけ、左腕もヒジを曲げて素早くザッザッと前進します。

 

これも慣れるとけっこうな速さで移動できます。できるのですが・・・こんな姿勢のモビルスーツはちょっと見たくありませんね。

 

ザクならお似合いだぜ、きっと」

 

そうですねキース少尉。でもザクもいい機体ですよ。

 

第三匍匐

第三匍匐

第三匍匐

第二匍匐よりもさらに低い姿勢で前進します。

 

左ヒジを地面につけて推進力とします。

 

小銃の位置もかなり低いので移動に夢中になると銃口を地面にガスガス当ててしまいます。

 

当然ながらそんなことをしたら銃口に土が詰まってしまうので気をつけましょう。助教にも怒られます。

 

実際には銃口に多少の土がついていても64式や89式の火力なら吹っ飛ばせるともいわれますが、怖いので試したことはありません。

 

第四匍匐

第四匍匐

第四匍匐

だいぶ匍匐前進らしいスタイルになってまいりました。

 

両ヒジと両ヒザを地面につく四つん這いで、トカゲの要領で左右のヒジとヒザをグッグッと交互に前後させることで前進します。

 

お腹は地面につけません。男性肥満デストロイモードのポッコリお腹だとついてしまいそうですが、つけません。

 

小銃はすぐに伏せ撃ちの姿勢に移行できるよう、お盆を持つような格好で前方に保持します。

 

敵方向からの被弾面積を極力減らすため頭は上げないように、左右の足もかかとを浮かせないように真横に開きます。股関節が柔らかいと有利なので意外と柔軟性の高い女性の方が得意だったりします。

 

姿勢保持型の腹筋運動「プランク」に飽きたらこの第四匍匐がオススメであります。

 

第五匍匐

第五匍匐

第五匍匐

第五匍匐はもう完全にベターッとうつ伏せの状態で地面を這っていきます。

 

左脚を曲げて地面を蹴りつつ、両手は懸垂の動きでズサーッと滑ります。

 

小銃は直接つかむのではなく「負い紐」をつかんで引きずります。

 

雨などで地面が湿気を含んでいると地獄です。もちろん実戦でそんなこと言ってらんないのですが。

 

言うまでもありませんが、そのへんの公園とかで実施するとあらぬウワサを立てられかねないのでご注意ください。

 

「よし、自衛隊入るぞ!」と思ったら

もし奇特にも匍匐前進を愛してしまった場合、自衛官を目指したくなるかもしれません。

 

当サイトは市ヶ谷とも地連とも無関係ですので自衛隊入隊を勧めるものではありませんが、職業選択の自由のもと自衛官を志す崇高な意思を止めることもいたしません。

 

平曹長

平曹長・・・
辺野古は別の問題で
大変です

自衛隊は慢性的に人手不足の状態にあるそうです。これを受けて「自衛官候補生」と「一般曹候補生」の採用上限が平成30年に26歳から32歳に引き上げられたとのこと。

 

・・・それでも当スリム教導隊の対象年齢である40代男性はもう対象外ですね。

 

予備自衛官も一般枠は34歳までですが、医療・語学・情報処理・通信といった専門技能職は年齢上限が53~55歳とのことですので、まだチャンスがあるかもしれません。

 

詳しくはこちらをご参照ください。

 

自分は20歳前後で入った際に約20kgの減量を果たしました。ハードな訓練が体脂肪と情熱を燃え上がらせてくれる(人もいる)と思います。

 

ちなみに予備自衛官の装備はまだ使える旧式のものを使い倒すのが通例です。20式どころか89式への更新も進んでいないかもしれないなので、64式小銃を使用することがあったらくれぐれも「ピン」の脱落にはご注意ください。

 

観測評価
  • 匍匐前進は地面を這い進む歩兵の教練
  • クセの強い全身運動なので腰痛に注意
  • 自衛隊の匍匐前進は5種類
  • ダイエットには第四匍匐がオススメ
スリム教導隊_全景図

 

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